開祖の思いで


開祖 植芝盛平先生 と 私
私は幸いにも 開祖 植芝盛平(うえしば・もりへい)翁(1883-1969)が合気道を完成させた地に生まれ、合気道をやっていた兄(稲垣繁實・8段)の影響もあり、13歳から岩間の道場に通っていました。
当時の岩間には内弟子が何人か居りましたが、通いで稽古をする者は少なかったですね。
その当時、私は子供でしたから開祖に直に手を取って教えていただく事も多く、稽古の時に開祖が受けを取り自ら倒れてくださいました。
開祖を倒したという話は聞いた事がありませんから、この思い出はとても大切なものになりました。
道場には神殿があり、そばに引戸がありました。
仲間と一緒に稽古をしていると、どうしても勢いあまってその引戸に激しくぶつかってしまうのです。
すると開祖が大声で、「なにごとか!神殿を壊す気か!」と怒鳴るのです。
当時開祖は80歳でしたが、体が飛び上がるほどの大声でした。
開祖の肩を揉んだり、部屋の掃除をしたり、そばに居ることが多かったので、思い出話は尽きません。
ある時、呼吸法の手本を見せてくださいました。
私がやってみると「そうじゃ、そうじゃ」とうなずかれていましたが、開祖の胸の筋肉が垂れ下がり、ちょうどおばあさんのようになっているので驚きました。
またある時は、稽古の時間のほとんどが神様の話だったこともありました。

==> 当時の記事
開祖は厳しいからこそ、その厳しさの中から優しさや思いやりを教えて下さり、私は沢山のことを得ることができました。
この道場の方針も開祖の教えをいかしていけたらと思っています。
 
  
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